お電話でのお問い合わせはこちらからどうぞ

民法改正案概要 その2

民法改正案概要の提示に関連しての婚外子の相続分における問題の続きです。

婚外子の相続分を嫡出子の半分とする民法の規定についての最高裁の見解は先日紹介したとおりです。

今日はその最高裁の見解に対する学説・東京高裁判例などの反論を紹介していきたいと思います。

学説・東京高裁判例(H5.6.23)は最高裁の見解に対し
1. (目的は正当だとして)非嫡出子は、嫡出子でないことについてみずから何の責任もないのに、現行法のように、その相続分を、親を同じくする嫡出子の2分の1として区別することは、法の下の平等の理念に照らし問題がある
2. 嫡出子と非嫡出子との相続分を同等としても、法律婚主義と直接抵触するものではない

分りやすく言うと、法律婚を守るという目的は正しいとしても、なぜ出生に何の責任も無い婚外子にその責任を負わせるような制度にする必要があるのか。
嫡出子と婚外子の相続分を同等にしても事実婚を奨励していることには別にならないし、そもそも婚外子の相続分を減らすことが法律婚の尊重につながっているかどうか疑問である・・・といったところです。

どうでしょうか、どちらかというと最高裁の見解よりも、こちらの見解の方がやや説得力があるように感じた方が多いのではないでしょうか。

実を言うと東京高裁もこの判例の2年くらい前までは最高裁と同じ見解であったのです。
東京高裁の見解の変化は判断基準の違いによるものとされていますが、その判断基準の変更には、世界的な嫡出子と婚外子の差別解消の潮流や、国民感情の変化があったことは否定できないのではないかと思われます。

昨年の判例で最高裁はまた同じ見解を述べていますが、最高裁内でも従来の見解に対する反対意見も強く、今回の民法改正案概要に婚外子の相続分についての改正が盛り込まれたのは必然的な流れであったといえるかもしれません。

昭和54年の民法改正要綱試案でも、相続分について嫡出子と同様の取扱いをしようとする案が盛り込まれていましたが、そのときは結局実現しませんでした。
さて今回はどうなのか、注目していきたいところです。

にほんブログ村 士業ブログ 行政書士へ
にほんブログ村

コメント