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相続は遺言によるものが中心になってきたのか

ここ数年で、相続の中心が遺言によるものに変わってきつつある・・・と、までは言えませんが、最近自筆証書遺言の検認申立ての件数の増加など、そのような雰囲気を感じさせるデータがけっこう出ているようです。

もともと日本では、これまであまり遺言を活用しようとする風潮はありませんでした。その理由についてはここでは述べませんが、遺言を活用していれば避けられた紛争も多々あったのではないかと思われます。
紛争の未然の防止と言う視点からみれば、相続が遺言中心となるのは基本的には望ましい方向性といえるのでしょう。

さて話を少し変えて、ここにきて遺言をする方が急速に増えつつあるのは、多分上記のような『紛争をあらかじめ防いでおくべき』という認識が広まったことや権利意識の高まりなど、さまざまな要因があるのでしょうが、直接的な理由はおそらくには遺言に関する書籍群(ツール、キット・・・etc名前はいろいろあります)が多数発売されたことによるものでしょう。
書籍群とともに、テレビなどのメディアでも遺言を取り上げる回数が格段に増えています。

ただ、こうして遺言をする方が増えるということは、遺言をめぐる問題も同時に増えるということになります。
もともと日本では遺言を用いる人が少なかったので、遺言に関する訴訟なども同様に少なかったのです。

最近多いと言われているのが、自筆証書遺言の要式の不備に関する問題です。
自筆証書遺言は要式行為であり、民法所定の要式を守る必要があるのですが、要式を守れていない(押印がない、日付がない、など)ものがかなりあるらしく、しかも遺言者本人は既に亡くなっているので、せっかく書かれた遺言が効力を持たない事態も相当数に上るようです。

次に上記とも関連しますが、自筆証書遺言の要式の不備はないものの、書かれた内容が問題で、その効力があるのかの判断が難しくなったり、内容についての紛争がおきることも最近増えているようです。

こういった問題が表面化してきたのも、遺言が一般的に定着してきたから・・・と考えられるのですが、遺言の持つ意味の重要さに鑑みて、なるべく遺言が慎重に作成されることを願うばかりです。
そういったことを含めて、遺言による相続が中心となるのはいま少し時間が必要であるように思います。

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