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相続放棄?遺留分の放棄?特別受益の証明?

先日放送されたNHKの土曜日の法律番組にもあったのですが、『相続放棄』について誤解している方はやはり多いようです。

そこには『相続放棄』とはまったく別のものが、一部で『相続放棄』という名称で使用されたりしてきたことが原因としてあるようです。

相続放棄とは、単純承認・限定承認・相続放棄にあるように、相続の開始後に家庭裁判所に申述をして行うものです。
「相続開始後」「家庭裁判所への申述」でない相続放棄はありえません。

相続放棄とは違い、遺留分については相続開始以前に放棄することができます。

遺留分の放棄についても、(相続開始以前であれば)家庭裁判所に申立てる必要がある点では相続放棄と同じですが、こちらは遺留分について主張できなくなるだけ(例えば遺言で自分の相続分を0にされても遺留分があるはずと言えなくなります)で、相続自体は放棄していません(遺留分の侵害がない通常の相続であった場合は問題ない)ので相続放棄とは異なります。
また相続開始後であれば、特別な手続きは必要ありません。

相続開始前にも可能であることから、この遺留分の放棄と相続放棄を混同してしまっている場合もありえますが、実際にはそのパターンは少ないと思われます。

むしろ問題があるのはこちらの『特別受益の証明』だと思われます。

特別受益の証明というのは、簡単に言えば「自分はもう十分に被相続人から財産を貰っているので相続分はありません」という内容の証明です。

実際のところ、相続放棄と称してこの特別受益の証明(相続分なきことの証明とも言う)を使用しているケースは多くみられます。

例えば実家のめぼしい財産が実家の不動産のみである場合などに、長男などから『相続放棄の書類』としてこの特別受益の証明書が送られてくるようなケースです。

この特別受益の証明は相続放棄ではなく、単に「もう貰うものはありません」ということを証明しているにすぎませんので、この書類に署名押印しても、もちろん相続放棄にはなりません。

これを使用した場合何が問題になるかというと、相続放棄のつもりで署名しているにもかかわらず相続放棄ではないため、もし被相続人に多額の負債があった場合、負債を支払わなければならなくなってしまうのです。

相続の放棄を選択される場合はきちんと手続きを踏むようにし、特別受益の証明書が送られてきた場合にはくれぐれも慎重に対処されることをおすすめします。

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