お電話でのお問い合わせはこちらからどうぞ

遺言の記載あれこれ 平成二千年?

自筆証書遺言は誰でも手軽に行える遺言形式ですが、無効な遺言とならないためには法に定められた方式を守って作成する必要があります。
全文を自書(自筆で書く)する、氏名を自書し押印する、日付を記載する、などですね。

これらの要件について、どこまでが有効なものとして許容されるのかはなかなか難しい問題です。
今回はこのうち『日付』についての珍しい事例を紹介したいと思います。

問題の遺言書にはこう書かれていました。

-平成二千年一月十日書-

この遺言書の記載をめぐって有効か無効かが争われました。

これに対し裁判所が出した判断は

本件自筆証書遺言の記載自体から、「西暦2000年」あるいは「平成12年」の表示として記載されたことが明らかであり、したがって、暦上の特定の日を表示するものといえるような記載があると認められ、民法968条1項の違背はない。

というものでした。つまり有効であるとしたのです。

日付』に関しては、裁判所は以前から特定の『日』まで読み取れる必要があるが、逆に言えば何年何月何日が特定できて、誤記、つまり書き間違いの範囲だと見ることが出来るのなら有効とする傾向にあるといわれています。

今回のケースでは、訴訟の過程で明らかになった経緯から平成12年あたりに作成された遺言だと考えられたので、「平成二千年」との記載は「西暦2000年=平成12年」を表示するもの、つまり平成とまず書いたのに、その後を西暦で間違えて書いてしまっただけだろうと容易に理解できるものである、との判断であろうと思われます。そこが理解できれば日付の特定は可能ですから。

ただ、今回のケースは先述の通り、訴訟の過程でそれまでの経緯が十分に明らかになったから、という面は否定できません。なので他のケースでも同様な判断がなされるのかは難しいところです。
やはり日付の記載はなるべく誰にでも簡単にわかるように正確に記載しておくに越したことはなさそうですね。

コメント