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遺言書の文言 : 相続?遺贈?

公正証書遺言であれ、自筆証書遺言であれ遺言書の文言は最も重要です。

同じことを書こうとしていた場合でも、遺言書の文言次第で遺言書から読み取れる(解釈できる)内容が、全く別のものになってしまうこともあります。

公証人のチェックの入る公正証書遺言はまだしも、基本的に誰のチェックも受けない自筆証書遺言はこのリスクはかなり高くなります。
実際のところ、遺言書の文言から遺言者の意思が読み取れず、執行することができない自筆証書遺言はかなり多いのです。

相続か遺贈か

遺言書の文言の解釈の中でも最も重要なのが、誰かに相続財産を渡す場合に使用する文言です。これによって相続なのか遺贈なのか、あるいは相続分の指定なのか遺産分割方法の指定なのかが変わってくるのです(ただしどれとも取れない意味のわからない遺言書ももちろんあります。その場合、執行は困難になってしまいます)。

まず渡す相手が誰なのかによって、文言の意味が変わることがあります。これを押えておいてください。同じ文言を使用していても、相手が誰なのかによって解釈が変わることがあるのです。

相続させるという文言

まず『~に相続させる』という文言についてです。
この場合、相手が相続人であれば「相続」ですが、相手が相続人でない場合、「遺贈」となります。なぜなら相続人でない相手に相続させることはできないからです。

応用で、相続人と相続人以外の人物を含めた形で『相続させる』とあった場合はどうなるでしょうか?この場合相続人については相続、相続人でない人は遺贈となります。

遺贈するという文言

『遺贈する』という文言を使用した場合、相手が相続人であっても原則として「遺贈」となります。
ただし、「遺贈の相手が相続人の全員」で「各人の割合を指定した包括遺贈」である場合のみ、相続分の指定となりますので「相続」です。

包括遺贈というのは「相続財産全体の何割」という形で、具体的な相続財産ではなく(具体的な相続財産の遺贈は特定遺贈といいます)、相続分の指定のように財産中の割合を定めて遺贈することです。
つまり上記の場合では、対象者が全ての相続人でかつそれぞれの割合を定めたものであるので、文言こそ遺贈だが、相続分の指定と解釈するのが妥当である、ということです。

ただしあくまでも「相続人の全員」が対象である場合のことですので、相続人の全員ではなかったり、あるいは相続人でない者が含まれたりしていると、「遺贈」となりますので注意してください。

「相続」であるのか「遺贈」であるのかは、相続手続ではかなり重要です。どちらであるかによって手続きが変わってくるからです。

この文言については「相続分の指定」か「遺産分割方法の指定」かという論点もあるのですが、それはまたの機会にしたいと思います。

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