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非嫡出子の相続分についての違憲決定 #2

さてちょっと前回から間が開いてしまいましたが、非嫡出子の相続分についての違憲決定について、説明の続きをしたいと思います。

前回は確か、何が問題になっているのかと、それに対するこれまでの最高裁や学者の先生の見解についての説明をしました。
今回は今度の違憲決定について簡単に説明しておこうと思います。

今回の決定の経緯は、まず大阪家庭裁判所で被相続人の男性の妻と嫡出子3人と非嫡出子1人の間で遺産分割の審判が行われたことから始まります。
この審判で大阪家裁は、非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする民法の規定に沿った遺産分割を命じたのですが、非嫡出子側がこれを不服として大阪高裁に抗告しました。

そして抗告を受けた大阪高等裁判所は、法律で嫡出子と非嫡出子の地位に差を設けることで差別を助長しかねないことなどを理由に、民法の規定は「『法の下の平等』を定めた憲法に違反し無効」という決定を行ったのです。
通常はこのような決定がなされた場合、最高裁に特別抗告がなされるのですが、今回は双方ともにこれを行わず、高裁の決定が確定しました。

ところでこの『違憲の決定』は法的にどのような意味を持つのでしょうか。

まず、今回の遺産分割事件では非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする民法900条4号の規定は適用されないことになります。これについてはほとんど異論は見られません。
ですがこのような違憲の決定や判決があった場合、その法律の規定は問題となった事件でだけ適用されなくなるに止まるのか、それとも一般的にその規定は適用されなくなるのか・・・といった議論があります。

判例や通説は、法律の制定・改正・廃止は国会の権限で、一般的にその規定を適用されなくすることは裁判所による法律の廃止であり、国会の権限を侵害することになる・・・ということなどを理由に、問題となった事件についてだけ適用されなくなるにとどまるという結論をとっています。

これはどういうことかと言うと、今回の決定で問題となった大阪での遺産分割事件では民法900条4号の規定は適用されないことになりますが、法律自体はそのまま残ることになりますので、今後今回の事件と同様のケースであっても、この規定の法改正がなされない限り、基本的にはこの規定は適用され続けるということです。

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